休みの日になるとよく行く喫茶店。
大きな窓の外に、上空に浮かんでいるパラグライダーが見えた。
ゆらゆらと揺れて、落ちてきそうで落ちてこない。
きっと上昇気流をつかまえて、風に乗っているからだ。
パダグライダーは三つで青と赤と白。それぞれが自由な高度で飛んでいて、時折交差しているのが見える。
下から見上げるパラグライダーはとてもゆっくりで、たぶん下から見ていた方がのんびりするんじゃないだろうか、と思う。
いちばん鳥に近い感覚があのパラグライダーじゃないかな、と思うー
なんてことを書きつつ今日の日記。
なんとなくカフェと雑貨屋さんのレイアウトをあれこれと変えている。
「みんな、本は読んでいないようだから撤去しよう」と思って本棚を撤去したらすぐに『あれ?本棚は?本棚の本を見るのが楽しみだったのに…』というお客さんの声があったので再設置。
雑貨屋のほうに置いていたガラスの器やアクセサリーをカフェの方に移動。
「こんなの売ってたの?」と聞かれる。
みんな雑貨屋のほうには入ってくれないから知らない人が多いんだ…
レトロ、アンティーク、シャビー、というのが好きな人にも反応してもらえそうなもの、ちょこちょこと飾ってあったり。
カゴを買って置いてみた。
これが荷物入れだってことは、書いておいたほうがいいよね。
雑貨屋のレイアウトも変えました。
この棚に置いてあるのは蔵書スタンプとかブックカバーとか栞とか。
この一角は『読書雑貨店』と名付けてあります。
なんかのCMで「昨日よりも良い店に」っていうキャッチコピーがあった。
「昨日よりも良い店」を毎日更新できやしないけど、でも毎日、花とかレイアウトとかメニューとか音楽とか、本とか写真とかに変化をつけている。
収まる場所に収まる感覚。
あるべき所にある感覚。
今日置いたものが、あたかもそれがずっと前からそこにあったような「しっくり感」。
そういうものを日々追い求め、日々変化を付ける。
毎日『ものごとのベストポジション』を探る。
時間帯によっても変わる、季節によっても変わる、温度によっても、その時その場所にいた人によっても変わる、『グッとくるハマり具合』。
そういうのを感じたくて(ものすごく自己満足だけど)、そういう感動を求めて(多分自分しかわからないけど)、日々変化させたり、色々試したりしている。
偶然と言えば偶然なのだろうけど、全てに調和がとれたり、融和している時間帯が一瞬でもあると……それは例えば光だったり、温度だったり、香りだったり、音楽だったり、人の笑い声だったり、が調和して融和していく瞬間……それだけがこの仕事の日々楽しみであったり、ご褒美だったりするのだと思う。
NHKの[プロフェッショナルー仕事の流儀ー]で、文化財の修復師の人が言った言葉。
「毎日の慣れた仕事であっても新鮮な気持ちで向かい、新鮮な気持ちで仕事をする」
「決して習熟しない。手慣れてはいけない」
そういうのって、非常に大事だと思う。
目の前にある、いつもの仕事。
それを毎日新鮮な気持ちで向かい合うことが仕事をする者にとって大事なマインドだと思う。
でももちろんその逆もあって、全てのバランスが悪く、精彩を欠き、丁寧さが失われ、何かがトゲトゲしている、という瞬間だってある。
(それは良い場合においても悪い場合においても)全ての人がそのことに気付いているわけではないと思うけど、カウンターの中に立つ人間はそのこと(良いことも悪いことも)に、いち早く気付ける人間であるべきだと思う。
だから余計に「常に新鮮な気持ちで仕事に向き合え」という言葉が自分にとって、襟を正す言葉になっているのだと思う。
毎日を新鮮な気持ちで。
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