今日の尾鷲地方はくもり。
少し蒸せる感じがする天気です。
先日、奈良県は十津川村にある[瀞ホテル]に行ってきました。
[瀞ホテル]、その存在は、2013年の9月号の雑誌[BRUTUS]にて知りました。
雑誌で見て以来、ずっと行きたい行きたいと思っていたら、先日の中日新聞に、熊野川をジェット船で上り、[瀞峡]を観光しながら、この[瀞ホテル]で休憩して、また船で観光しながら帰ってくるというツアーが紹介されていて、これだ!と思い、行ってきました。
[瀞ホテル](どろほてる)は、三重、和歌山、奈良を流れる熊野川の[瀞峡]に、100年以上前に建てられた瀟洒な建物です。
[瀞峡](どろきょう)とは、吉野熊野国立公園内の奈良県・三重県・和歌山県にまわがる国特別名勝の大峡谷で、中国の山水画のような景色が広がっています。
ちなみに、「『瀞』とは、「川の水が静かなところ」という意味で、太古から続く荒々しい断崖の下を悠々と流れる緑青の水が織りなす荘厳な幽水美は、この険しい山間の地ならではの絶景を誇る観光地として多くの人に知られてきた」(雑誌、BRTUSより)そうです。
奈良県十津川村は、かつて(1889年)に甚大な水害で壊滅状態に陥った村で、2011年にも再び水害にみまわれました。
[瀞ホテル]は2011年の水害以前に一度営業は閉鎖していたそうです。
現在の[瀞ホテル]のオーナーさんは、創業者からみて4代目だそうで、水害を機に帰郷し、築100年以上の[瀞ホテル]を一部改装し、現在はカフェとして営業されています。
築100年という建物、しかも『秘境』と言ってもいいところに建っている建物は一体どんなのだろうという興味と、いわゆる『過疎』『僻地』と呼ばれる地域で営業するカフェはどんなもんだろうという興味で、行ってきました。
船から見る瀞峡の景観もよかったですし、天気も良くて、最高に気持ちのいい風でした。
カフェから見る景色も本当にゆったりした景観で、建物も落ち着いた雰囲気で、とても良かったです。
何せ建っている所がすごく高い所なので、眼下を鳥が飛んでいたり、川を船が通り過ぎたりと、普段見れない風景を、お茶をしながら楽しむことができて、気持ちが清らかになる思いがしました。
建物の中には雑貨を販売する一画もありました。
建物は広く、まだ改装中のところもありました。
本館から別館へ渡る吊り橋などは使用できず、別館はもう何年も人が立ち入っていないそうです。
新聞や雑誌のインタビューによると、これから将来的にはホテル業を再開したり、別館へも行けるようにしたいそうですが、それにはやはりお金もかかると思います…。
なにせアクセスの悪い所ですし、資材を運搬するだけでけっこうかかるだろうなあ、といらん心配をしてしまいました。
雑誌によると、カフェ改装の際も知人や友人、多くの人の協力や出資によって見込みが立ったそうですが、こういう協力は不可欠ですよね。
今回私は、過疎地と呼ばれる地方の観光業や飲食店についてとても興味があったということもあって、行ってみたのですが、ジェット船の運営会社と協力してプランを建てたり、地元の人や友人の協力を得て運営しているの、すごいなあ、と思い、十津川を後にしました。
過疎地への観光プランの色んな形で充実していくといいなあ、とも思いました。
日常を忘れられるちょっとしたトリップでした。
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