この間、朝のラジオを聞いていると…
東京に住んでいる人が、例えば帰省や出張などで、関西方面や九州に新幹線を使って行くとします。
で、また東京に新幹線で帰って来る時に、窓から富士山が見えてくるとホッとする、みたいなエピソードを紹介していました。
関東方面の人にとって、富士山が見えることはそれが安心感でもあり、『帰ってきた』という一つの目印のような存在であるようです。
身に覚えがあります…
例えば、松阪や津方面から尾鷲に帰ってくる場合、いくつものクネクネとした峠を超えてこないといけないわけですが、ちょうど尾鷲の玄関口である『鷲下峠』をのトンネルを超えるとすぐに尾鷲の町の全景を見ることができます。
ひときわ目立っているのは火力発電所の煙突の光でしょうか…
あの風景を見た時、『ああ、尾鷲に帰ってきたんだなあ…』という気持ちになったものだなあ…とそのラジオを聞きながら思ったのです。
思ったのですが、すぐにあることに気付きました。
『最近、あの尾鷲の全景、見てないや…』
ということに…。
そう、高速道路が開通してからというもの、クネクネとした峠を超えることなく、直線的な道路とトンネルのみを通って、いつの間にか尾鷲に着いているのです。
当然、高速道路の降り口から見える尾鷲の風景は、あのホッとするようなパノラマ的全景ではなく、ただただ直線的な道路と、国道と交わるところにある信号機とコンビニの看板が見えるのみです。
なんか、高速道路は便利で早くかつ体力もあまり奪われずに尾鷲に着くことができるのですが、あの『酷道』と呼ぶにふさわしい峠のクネクネ道を必死に運転した先に見える、尾鷲の温かい光と海が見える『お出迎えの風景』をもう当たり前のように忘れてしまうのだろうなあ…と、ふとそんなことを思ってしまいました。
さて、今日の写真を。
写真は[タルト・タタン]です。
有り体に言うと『リンゴのタルト』なのですが、たっぷりのリンゴにラム酒とシナモンをきかせたフィリングを型に敷き詰めて蓋をするようにタルト生地で覆い、焼きます。
母自慢の絶品スイーツです。
ぜひ、ご賞味ください。
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