今日の尾鷲地方、午前中は肌寒いほどの雨でした。
しかし午後の2時から急に晴れ間が差し込み、晴天となりました。
昨日、お客様が骨が26本もある傘をさしてご来店。
骨が26本というのも珍しいですが、色の具合がとても素敵だったので、写真を撮らせてもらいました。
今は骨の数が多い傘は全国的にもそれほど珍しくはありませんが、ひと昔前までは8本が基本で、骨の数が多い傘は高級なものでした。
雨の多い尾鷲では昔から、骨の数が多い傘があり、それを[尾鷲傘]と呼んでいました。
尾鷲では近年まで[傘屋さん]があり、傘の販売、修理をしている家がありました。
尾鷲では[河合さん]という方がこの[尾鷲傘]をつくることで有名で、傘以外にも、
その技術を活かして、各町や各家の紋の入った提灯も作っていました。
ですのでこの河合さん、梅雨の時期には傘を、お盆の時期には初盆を迎えた家からの注文で家紋の入った提灯を、祭りの時期には各町の紋の入った提灯の製作と、大変に多忙な方でしたが、最近、ご高齢のため稼業を引退されました。
跡継ぎもいない為、『尾鷲の人がつくる[尾鷲傘]』はもう作られなくなりました。
が、今では河合さんの傘ではありませんが、骨の数の多い傘を[尾鷲傘]のブランドとして[夢古道おわせ]で販売しているそうです。
少し高級品のようですが、雨の町、尾鷲のお土産にどうでしょうか。
傘を使うことが嬉しくなると、雨の日もまんざらではない気がしてしますね。